グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)
「おう、無事なようだな? 」

「はい。無事ですよ」

「で、こちらの女性が。中に大切な妹が、閉じ込められていると言っているのだが? 」

 はぁ? と、ジックニーはデルバを見た。

「あ、あんた! 私の妹を、どうしたのよ! 」

「どうしたのって・・・何ですか? 」

「あんたが、私の妹を無理やり連れて行ったんじゃない! 私にまで付きまとって、迫って来たくせに! 」


 何をむちゃくちゃ言っているんだ? 

 ジックニーは呆れた顔をした。


「これ! あんたがこの前、私の事を眠らせてホテルに連れて行った写真よ! 」

 鞄の中から写真を取り出し、デルバはジックニーに突き付けた。


「ん? 」

 アディールも振り向いて、写真を見た。

 が・・・

「な、なんなんだ? これは・・・」

 写真を見て、アディールは呆れて驚いた。

 ジックニーは笑いをこらえて、あえて驚いた目をした。

「ん? 」

 デルバは写真を見てみた。

 すると・・・

「な、なにこれ? 」

 写真はホテルのベッドで眠っているデルバと、その隣には小さな恐竜がいる。

 恐竜に寄り添って寝ているデルバ・・・。

「なんなの? これは・・・」

 アディールはジックニーを見た。

 ジックニーは、アディールと目と目が合うとクスっと笑った。

 やれやれと、アディールは笑いを浮かべた。


「その写真の相手が、ジックニーだと言うのか? 」

「あ・・・あの・・・これは・・・」

「言いがかりをつけて、何がしたいのだ? 」

「言いがかりではありません! 妹が中にいます! これが、妹の写真です」

 バッグから写真を取り出し、デルバは差し出した。

 写真を受けとるとアディールはジックニーを見た。

「とにかく中にはいるか。この写真の女性がいるのかどうか確かめよう」

 やれやれとため息をつきながら、アディールはリビングへ向かった。


 その後をデルバも着いて行った。



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