グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)
城下町広場から役所までは歩いて10分ほどの距離。
白い2階建てのビルが役所。
ここでは貴族と平民の住民管理をしている。
ジックニーは地上では、王室の一族になっているが、独立して今では平民として住民管理をしてもらっている。
役所にやって来たジックニーとノエリ。
「さっ、ここで書いてくれる? 」
婚姻届けと、ペンを渡されるとノエリは戸惑った目をしたが、言われた通り書き始めた。
ノエリの両親は既に他界していて、身内は姉だけだった。
だが成人しているノエリは、特に誰の承諾も必要ない為、姉に知らせる事もしていなかった。
「よし、これで全部書けたね。じゃあ提出してくるよ」
「あ、あの・・・」
「なに? どうかしました? 」
「本当にこれで、いいのですか? 」
「もちろんですよ。どうしてですか? 」
「私・・・貴方より、かなり年上なのに・・」
ジックニーは婚姻届けを見た。
ジックニーの年齢は25歳。
ノエリの年齢は32歳。
歳の差7歳だった。
「へえー。全然、そんな事感じませんでした。別に気になりません。貴女は気にしますか? 」
「あ、いいえ。・・・でも、貴方のご両親が・・・」
「心配しないで大丈夫ですよ。そんな事、全く気にする人達じゃありませんから」
そう言って、ジックニーは窓口に向かった。
もうすぐ覚める・・・
これは夢だから。
7歳も年上の、こんな私と結婚するなんてありえない。
夢なのに・・・どして、こんなに長いの?
ノエリが悶々としていると、爽やかな笑顔でジックニーが戻ってきた。
「お待たせしました。これで、貴女と俺は正式な夫婦になれましたよ」
ノエリの手をギュッと握って、ジックニーはとても嬉しそうな表情をしている。
「さっ、行こう。今夜はお祝いですよ」
ノエリの手を握って、歩き出すジックニー。