グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)
「久しぶりですね、ジックニー」

 ユーリスが、ルキアスを連れて出迎えてくれた。

 優しいブルーのセーターにふわりとした茶色いロングスカートに暖かそうな茶色い靴を履いているユーリスは、まだどこか少女のようである。

 一緒に来たルキアスは、赤色のセーターに紺色のジーンズに黒いスニーカーで若者らしい恰好をしている。
 
 ユーリスに似て、同じ紫色の瞳をしているルキアスは、どこか不思議な感じがする。


「王妃様、ご無沙汰しております」

 ジックニーが挨拶をすると、ユーリスはそっと微笑んだ。
 
「素敵な方とご結婚されたのね」

 ユーリスはノエリに歩み寄り、そっと微笑みかけた。

「初めまして、ユーリスです」

「初めまして、ノエリと申します」

 会釈をするノエリを見て、ユーリスは嬉しそうに微笑んだ。

「とっても気品のあられる方ですね。どうぞご遠慮なく、過ごして下さいね」

 ユーリスの優しい笑顔に、ノエリは少しだけ心が軽くなった。


 ユーリスの傍にいるルキアスが、じっとノエリを見つめている。

「あら? ルキアス。どうかしたの? ご挨拶は? 」

「初めまして、ルキアスです」

 じっと見ていたルキアスが、満面の笑みを浮かべた。

 その笑顔はユーリスとそっくりである。


「さっ、2人共疲れたでしょう? お部屋にご案内しますから、ゆっくり休んでね」


 じっとノエリを見つめているルキアス。

 何故そんなに見つめらるのか、ノエリには分からなかった。




 客間に案内されたジックニーとノエリ。

 気が休まるモダンな客間で、ジックニーとノエリは一息ついた。

「今日は突然の事で、疲れちゃったね」

 ソファーに座って、ジックニーが言った。

「私の母が来る日取りは、暫く延期になりますね」
 
 ノエリはジックニーの向かい側に座った。
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