グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)

 ノエリと目と目が合うと、ルキアスは満面の笑みを浮かべた。

「お姉ちゃん、もしかして妖精さん? 」

「え? 」

「お姉ちゃんの周りに、とっても綺麗なキラキラがたくさん見えるよ。このキラキラは、妖精さんの傍に輝いているものなんだよ」

 ノエリはジックニーと顔を見わせた。

「あ、正解だった? 」

「すごいわね、良く分ったわね」

「うん。僕は、いろんなものが見えるんだよ。妖精もだけど、天使も見えるよ」

「天使? 」

「そうだよ。僕のお母さん、天使だもん」

「王妃様が天使?」

 キョンとしているノエリを見て、ルキアスは満面の笑みを浮かべた。

「僕、お姉ちゃんの事とっても好きだよ。だから、これからもお城に遊びに来てくれる? 」

「私が・・・いいんですか? 」

「もちろん大歓迎だよ。僕、1人っ子だからちょっと寂しい時があるんだ。でも、お姉ちゃんが遊びに来てくれると、僕、寂しくないから」

 とっても純粋なルキアスに、ノエリは胸がいっぱいになった。


「有難うございます、皇子様。とっても嬉しいです」

「僕も嬉しいよ。お姉ちゃんが、僕と親戚になってくれるんだもん」


 こんなに素直に笑う子は、初めて見たかもしれない。

 ノエリはルキアスを見て、今まで感じたことがない感情が湧いてきたのを感じた。
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