グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)
「王妃様。ノエリは、異世界の人なんです」
黙っているノエリの代わりにジックニーが答えた。
「まぁ、本当? 」
ノエリはこくりと頷いた。
「はい。私は、妖精界からきました。もう、20年以上も前になりますが」
「そんなに前に? じゃあ、私と変わらないわね」
「え? 」
「私も、天空界から人間界に来たの。と言っても、まだ10年そこそこだけどね」
「天空界ですか? 」
「そう、天使が住んでいる世界よ」
「天使・・・」
天空界・・そして地底・・・
平凡そうに見えるグリーンピアトが、実は地底と天空と繋がっているとは。
誰も想像しないだろう。
「王妃様。お聞きしてもよろしいでしょうか? 」
「え? どうしたの? ノエリさん」
「いえ・・・。王妃様は、何故、天空界から人間界に来られたのですか? 」
尋ねられると、ユーリスは少し恥ずかしそうに目を伏せた。
「私。人間に恋をしてしまったの」
「え? 」
「水晶で人間界を見ていて、見た瞬間に胸がキュンとして。どうしても、その人に会いたくなって掟を破って人間界に来てしまったの」
「掟を破ってという事は、もう二度と帰れないって事ですか? 」
「その時はそう思って、覚悟して来たの。でも、自分に正直になったら父も母も許してくれてね。今では自由に行き来できるようになったの」
「天空界と人間界が自由に? すごいですね」
「限られた人だけしかいけないけどね」