グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)
役所を後にして、ジックニーはそのままノエリを帝国ホテルへ連れてきた。
1階のレストランでお祝いをしようと、連れてきたのだ。
「よっ、ジックニー。今日はどうしたんだ? 」
同僚の男性従業員がジックニーの声をかけてきた。
「あ、今日はお祝いがしたくてレストランに来ました」
「お祝い? 」
従業員はふと、ノエリを見た。
ノエリは俯いてしまった。
「そうだ、紹介します。俺の奥さんになってくれた人。ノエリです」
「え? 」
従業員はありえないと言わないばかりに、驚いた目をした。
「こ、この人が? 」
「はい。今日、入籍したばかりですけどね」
信じられない顔をしている従業員。
ノエリは俯いたまま、申し訳なさそうな顔をしている。
1階レストラン。
かなり高級なレストランで、豪華なものばかり。
お祝いだと言って、ジックニーはフルコースを注文してくれた。
初めにシャンパンで乾杯。
ノエリはグラスの持ち方がとても上品で、飲み方も品がある。
運ばれてきた食事も作法を良く知っていて、ゆっくりと上品に食べている。
その姿を見ていたジックニーは、見てくれとは違うと感じた。
最後のデザートはお祝いのケーキ。
小さなホールケーではあるが、結婚式のケーキカットのように2人で一緒に切ろうとジックニーが言い出して、ノエリと一緒に切った。
お皿に取り分けられたケーキを食べると、最高の美味しさに、ずっと俯いていたノエリの表情も少しだけ微笑が浮かんだ。
その微笑みを見ると、ジックニーはとても嬉しくなった。
ノエリは、夢なのにいつまで続くのだろう? と、ただ茫然としているだけだった。