グリーンピアト物語~醜い妖精とイケメン君~(完結)

 ノエリはふと、本当の目的を思い出した。

 人間を知る為に、妖精界から来たノエリ。

 事故で記憶を無くして留まっていたが、養女になり、そのまま人間界に住み着いてしまった。

 記憶が戻り妖精界へ帰ろうにも、醜い顔にされてしまい戻るに戻れなくなっていたノエリ。


 だが、本来の顔を取り戻し、ファリヤとも再び連絡をとれるようになったノエリ。

 20年前、ノエリはプリンセスとして次の王位継承も約束されていた。

 妖精界の王はまだノエリの父である。

 しかし父もそろそろ引退したいに違いない。

 どうしたら良いのだろうか?

 
「・・・エリ・・・。ノエリ! 」


 突然大きな声で名前を呼ぶジックニーの声に、ノエリはびっくりして振り向いた。

「ノエリ、どうかしたのか? ドアをノックしたけど、気づいていもらえなかったし。何度呼んでも気づいてくれなかったから」

「い、いいえ何でもありません・・・」

 平然を装うノエリだが、どこかよそよそしいのをジックニーは感じた。


「ねぇノエリ。聞いていもいいかな? 」

「はい、何でしょう? 」

 
 ジックニーはノエリに歩み寄った。


「ノエリは、人間を知る為に妖精界から来たって前に話してくれたよね? 」

「はい、そうです」

「じゃあ、ノエリは本当は妖精界に帰らなくちゃならないって事? 」


 あ・・・どうして、判ったんだろう? 

 図星を指されてしまい、ノエリは何も言えなくなってしまった。
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