あいことばは君の名前
第1章
チューリップ
なでしこ幼稚園。今日も泣き虫な私の泣き声が運動場に響いていた。
「うわあああああんん!!」
当時4歳の私は、ジャングルジムで遊んでいた。しかし、いちばん高いところから落ちて、頭にたんこぶを作ってしまった。
「ひっく…うう…ままぁ…」
涙で顔がぐしゃぐしゃになっている私を、先生達は気づいてくれなかった。やっとこっちを振り向いたかと思ったら、「またケンカね、いい加減にしてよ」という顔をして、私を見つめていた。その目は、とても怖かった。
今思うと、たんこぶが痛かったのではなく、悲しすぎて泣いていたのかもしれない。
「だいじょーぶ?」
そんな独りぼっちだった私にただ1人手を差し伸べてくれたのが初。
「おちたの…?たんこぶできてる。」
優しくて、ふわふわしていて、暖かい初の声は、昔から私を落ち着かせてくれた。
「…こっちおいで。」
差し出された柔らかそうな手に、私の傷だらけの手を重ねると、ぐいっと引っ張られ、私たちは手を繋いで裏庭へと向かった。
このときはまだ自分の気持ちに気づけていなかったけれど、私の胸はドキドキと高鳴っていて、身体中が風邪をひいた時のように熱くなっていくあの不思議な感覚は、今でも覚えてる。
「うわあああああんん!!」
当時4歳の私は、ジャングルジムで遊んでいた。しかし、いちばん高いところから落ちて、頭にたんこぶを作ってしまった。
「ひっく…うう…ままぁ…」
涙で顔がぐしゃぐしゃになっている私を、先生達は気づいてくれなかった。やっとこっちを振り向いたかと思ったら、「またケンカね、いい加減にしてよ」という顔をして、私を見つめていた。その目は、とても怖かった。
今思うと、たんこぶが痛かったのではなく、悲しすぎて泣いていたのかもしれない。
「だいじょーぶ?」
そんな独りぼっちだった私にただ1人手を差し伸べてくれたのが初。
「おちたの…?たんこぶできてる。」
優しくて、ふわふわしていて、暖かい初の声は、昔から私を落ち着かせてくれた。
「…こっちおいで。」
差し出された柔らかそうな手に、私の傷だらけの手を重ねると、ぐいっと引っ張られ、私たちは手を繋いで裏庭へと向かった。
このときはまだ自分の気持ちに気づけていなかったけれど、私の胸はドキドキと高鳴っていて、身体中が風邪をひいた時のように熱くなっていくあの不思議な感覚は、今でも覚えてる。