さようなら、また夜に

やばい、気になって仕方がない。

休み時間ってのに本読んでるし、
話しかけて、みようかな。

「ねぇ、君。」

「どうしたの?」

あ...。
気になって話しかけたのに、
話しかける用事がない。

仕方ないから、あれ、聞いてみよう。

「音楽とか...興味ある?」

「どういうこと?」

目の前の男子は戸惑ってる。

「あぁ、ごめん。
別に興味ないならそんなね、」

「あるよ。大好きだ、音楽。」

いや、何どした。
急に食い気味でこっちが戸惑うわ。

「何か楽器とかやってるの?」

「まあ、やってたよ。」

もう、辞めちゃったのか。
てことは、コンクールとかで会ったのかな?

「良かったら、帰りにカフェでも行こうか。
なぜか君に見覚えがあって。
どこかで会った?」

「私もそう思ってたの。
放課後、また話しかけて。」

「僕忘れちゃうかも」

「なんでよー」

まるで昔から知ってたみたいに、
話すことができる。

もしかして、こういう人を運命の人
って言うのかな?
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