さようなら、また夜に

「今日は18日だな。18番。
はい、ここ読んで。」

「それは、まさに...」

「はい、次19番。」


ずっと学校いたい。
ずっと授業を受けていたい。

家に帰ったら、ピアノのレッスンだ。

もう、ピアノなんて...



だいたい、一年前。

中学三年生だった私は、高校は
絶対に音楽推薦で行く予定だった。


なのに...ダメだった。


あんなにやったのに。

勉強もしたのに。評定も良いのに。


芸術推薦の1枠は、
1人の男子に取られてしまった。




自分が冷めてから、気がついた。

今までやっていたのは、試験勉強だ。

音楽などではなかった。


音楽って、何のためにやるんだっけ。

その時から、もう分からなくなった。
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