さようなら、また夜に

身体が吸い込まれたように、
その世界に入った。

フワフワと浮く楽器たちは、
弾き手を探しているよう。

一台のピアノが私に近づいてくる。

(私を、弾いて。)

楽器の声が聴こえてくる。

(捨てられてしまったの。)

そうなのね。
でも、弾ける曲がないの。


私は、ふと、後ろを向いた。
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