さようなら、また夜に

「でも...」

「君は、学校一のピアニストだよ。」

彼のその顔は、美しく、
優しさに満ちていた。

「なんか、わかった気がする。
答えが、わかっちゃった。」

探し物が見つかれば、
この世界にはもう来ないだろう。

「ありがとう。僕もだよ。」

彼の目から、一筋の涙が流れた。

私が言おうとした「ありがとう」は、
彼がいなくなった空間に虚しく響いた。


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