独占欲強めの部長に溺愛されてます
全人類で両想いになる確率が何パーセントなのかは知らないが、野々花が加賀美に振り向いてもらえる確率はかなり低いと言えるだろう。それこそ五パーセントにも満たないのではないか。
(ううん、違う違う。それは自分を買いかぶり過ぎよ。限りなくゼロに近いから)
デスクでひとり首を横に振る。
野々花の前に加賀美以上に素敵な人が現れる可能性も同時に低いだろうから、いっそのこと彼を一生想い続けるのもいいかもしれない。
そんな結論に達しながらパソコンに向かっていると、隣の席から能天気な声をかけられた。
「あれれ? これって、どうやるんだっけ? ねぇ、星さん」
信じられない思いで手を止める。
(嘘……。またそんな質問をするの?)
声の主は、野々花のふたつ後輩である間宮瑠璃(まみや るり)だ。
「星さんってば、聞いてますかぁ? エリア設定ってどうやるんでしたっけ?」
再び呑気な声を左耳に浴びせられる。