独占欲強めの部長に溺愛されてます
元気のいい男性店員に出されたビールジョッキを持ち上げ、ひとまず乾杯。緊張と煙でカラカラになった喉を潤した。
「それで、間宮だけど」
急に加賀美に切りだされ、ちょうどジョッキに口をつけていた野々花は思わずむせそうになった。ビールを口に入れる前でよかったと、つくづく思う。
なにごともないような素振りでカウンターにジョッキをそっと置いた。
「それはもう本当に大丈夫ですから」
わざわざ加賀美に聞いてもらうような話ではない。
「星に任せきりにして申し訳ないと思ってる。甘え過ぎてたよ」
「はいっ?」
加賀美が眉尻を下げる。まさか謝られるとは思いもしなかった。
「星はよく気がつくし、仕事も丁寧で間違いがないから、つい押しつけたままにね」
「い、いえっ、そんな」