独占欲強めの部長に溺愛されてます

とはいえ、瑠璃の仕事ぶりは決して誉められたものではない。そこは事実だ。
野々花は毅然と胸を張った。


「弱音を吐けば星が助けてくれるって甘えがあるから、覚える気にならないんだと俺は思う」
「……それはそうなんですけど」


適当にされた仕事を放っておくわけにはいかず、いつも必ず野々花がチェックと修正をしている。そうしなければ、そのまま使えるデータではない。


「マーケット分析は一朝一夕で習得できるものではないから無理だとしても、プロット選択からエリア設定、統計グラフのエクスポートくらいまでなら任せても平気じゃないか」


現段階の瑠璃では、エリア設定ですら怪しい。初歩も初歩。そこからしてできない。


「責任がないから覚えない。だから、そこまではあなたの仕事です、と思いきって投げる。意外とやるかもしれないよ」
「そうでしょうか……」


野々花と瑠璃とでは、一生平行線なのではないかとこの頃は考え始めているが、このままでいいわけはない。
荒療治ではないが、ダメもとで加賀美の言うようにしてみるのもひとつの手かもしれない。

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