希望の夢路
でも、と彼女は続けた。
「智也、執念深いところがあるから」
「それが何だ?」
「えっ?」
「僕だって執念深いぞ?こうやって君を…」
僕は彼女に顔を近づけた。
「んっ、もう…」
彼女は僕から顔を背けた。
「あいつは、しつこそうだな」
「しつこいです」
「僕から離れるな。そうじゃないと、あいつは容赦なく襲ってくる」
「はい…」
「ん。…まだ何かあるのか?」
不安げな彼女を見て僕は言った。
「迫られてるんです、私」
「迫られてる?」
「智也が、夢を叶えてやるから俺と一緒になった方がいいって」
「夢を、叶えてやる、か」
「でも私、そんな気はさらさらないんです。夢を叶えられなかったとしても、いいんです」
「何でだよ。夢を叶えられるなら…」
「嫌です…!」
彼女が、さっきよりも力を込めて僕の胸でもぞもぞと兎のように動いている。
「私、博人さんとだから毎日が楽しいし幸せなんです。智也と一緒にいたって楽しくない。博人さんがいるから私…」
だめだ。これ以上心愛ちゃんに喋らせたら、僕の心は乱れに乱れ切って彼女に何をするかわからない。ごめんよ、心愛ちゃん。少しだけ、少しだけ君の言葉を奪うよ。
「ん、っ…」
黙って不意に君の唇を奪ったけれど、
君は驚いた顔をすぐに笑顔に変えて、これでもかというくらい、幸せな顔をするんだね。
これじゃあ、キスするのが癖になってしまいそうだ。どうしてくれる?心愛ちゃん。
僕は自分の行動をコントロールできない。それほどまでに君が大好きなんだ。大切だから、とても大切な君だから絶対に守るよ、君を。何があっても。
あいつの思い通りになんかさせない。
絶対に。
僕は、そんな誓いを胸に彼女を抱きしめる力を強めた。
「智也、執念深いところがあるから」
「それが何だ?」
「えっ?」
「僕だって執念深いぞ?こうやって君を…」
僕は彼女に顔を近づけた。
「んっ、もう…」
彼女は僕から顔を背けた。
「あいつは、しつこそうだな」
「しつこいです」
「僕から離れるな。そうじゃないと、あいつは容赦なく襲ってくる」
「はい…」
「ん。…まだ何かあるのか?」
不安げな彼女を見て僕は言った。
「迫られてるんです、私」
「迫られてる?」
「智也が、夢を叶えてやるから俺と一緒になった方がいいって」
「夢を、叶えてやる、か」
「でも私、そんな気はさらさらないんです。夢を叶えられなかったとしても、いいんです」
「何でだよ。夢を叶えられるなら…」
「嫌です…!」
彼女が、さっきよりも力を込めて僕の胸でもぞもぞと兎のように動いている。
「私、博人さんとだから毎日が楽しいし幸せなんです。智也と一緒にいたって楽しくない。博人さんがいるから私…」
だめだ。これ以上心愛ちゃんに喋らせたら、僕の心は乱れに乱れ切って彼女に何をするかわからない。ごめんよ、心愛ちゃん。少しだけ、少しだけ君の言葉を奪うよ。
「ん、っ…」
黙って不意に君の唇を奪ったけれど、
君は驚いた顔をすぐに笑顔に変えて、これでもかというくらい、幸せな顔をするんだね。
これじゃあ、キスするのが癖になってしまいそうだ。どうしてくれる?心愛ちゃん。
僕は自分の行動をコントロールできない。それほどまでに君が大好きなんだ。大切だから、とても大切な君だから絶対に守るよ、君を。何があっても。
あいつの思い通りになんかさせない。
絶対に。
僕は、そんな誓いを胸に彼女を抱きしめる力を強めた。