希望の夢路
「悪かったよ」
心愛を宥めようと心愛の背中に触れた。
「博人さんじゃなきゃ、いや」
心愛は、俺を拒絶した。
年上はあまり好きじゃないと昔、言っていたのに、いつの間に年上好みになったんだよ。
「…はあ。あいつには?連絡したのか?」
「してない…」
「しろよ。好きなんだろ。会いたいんだろ?」
「好き。会いたいよ。でも……」
『彼は、もう私に会わないって言ったの。だから、もう相手になんてしてもらえない』
ーそう言って心愛は、切ない顔をした。
あいつだって、会いたいに決まってる。けど、その気持ちを封印して突き放したんだろうな。確かに心愛のことは大好きだけど、心愛のことを好きなのに別れるっていうのは辛かっただろうな。俺なら、おかしくなってしまいそうだ。なかなかできることじゃないな。
「会いに行けばいいだろ」
「できない。……怖いよ…」
心愛はしゃがんだまま、顔を伏せた。
「好きだけど、なんて言われるのかな。思いっきり拒絶されたらどうしよう」
「…そしたら、俺が心愛を幸せにする」
「やだよ。博人さんがいい」
一旦こだわると、永遠と答えを変えない心愛のことだ。心愛は博人さんがいいの一点張りで、俺のはいる隙は残念ながら全くない。
「どうしたいんだよ」
「私…博人さんと一緒に居たい」
「なら、電話しろよ」
「でも、迷惑かなって」
「めんどくせーな、携帯貸せ」
「でも」
「いいから、ほら」
「うん…」
俺は、心愛の手から携帯を奪い取りあいつの電話番号を探した。
お、あった。
「心愛、電話するぞ」
「……」
心愛から反応がない。
「心愛?」
俺は振り返り隣にいる心愛を見た。
「おい、どうしー」
心愛の様子がおかしい。
息苦しそうだ。
「心愛?大丈夫か?」
「…………」
心愛は、返事もできないほど苦しそうに顔を歪めて、苦しそうな呻き声を小さく上げた。
「心愛?おい、しっかりしろ!」
ばたん、と音がして心愛は俺の横に倒れた。
「おい、待てよ…心愛!?」
「………」
心愛は黙ったまま地面に寝そべっていた。俺は全く動かない心愛を抱き寄せた。抱き寄せた方とは反対の左手を心愛の額に当てる。
「やば…」
心愛の額は熱かった。
とても、熱かった。
「熱いじゃないか…」
心愛は、ここ最近ーいや、あいつに別れを告げられてからというもの、元気がなく魂が抜けたような状態だった。
心愛を宥めようと心愛の背中に触れた。
「博人さんじゃなきゃ、いや」
心愛は、俺を拒絶した。
年上はあまり好きじゃないと昔、言っていたのに、いつの間に年上好みになったんだよ。
「…はあ。あいつには?連絡したのか?」
「してない…」
「しろよ。好きなんだろ。会いたいんだろ?」
「好き。会いたいよ。でも……」
『彼は、もう私に会わないって言ったの。だから、もう相手になんてしてもらえない』
ーそう言って心愛は、切ない顔をした。
あいつだって、会いたいに決まってる。けど、その気持ちを封印して突き放したんだろうな。確かに心愛のことは大好きだけど、心愛のことを好きなのに別れるっていうのは辛かっただろうな。俺なら、おかしくなってしまいそうだ。なかなかできることじゃないな。
「会いに行けばいいだろ」
「できない。……怖いよ…」
心愛はしゃがんだまま、顔を伏せた。
「好きだけど、なんて言われるのかな。思いっきり拒絶されたらどうしよう」
「…そしたら、俺が心愛を幸せにする」
「やだよ。博人さんがいい」
一旦こだわると、永遠と答えを変えない心愛のことだ。心愛は博人さんがいいの一点張りで、俺のはいる隙は残念ながら全くない。
「どうしたいんだよ」
「私…博人さんと一緒に居たい」
「なら、電話しろよ」
「でも、迷惑かなって」
「めんどくせーな、携帯貸せ」
「でも」
「いいから、ほら」
「うん…」
俺は、心愛の手から携帯を奪い取りあいつの電話番号を探した。
お、あった。
「心愛、電話するぞ」
「……」
心愛から反応がない。
「心愛?」
俺は振り返り隣にいる心愛を見た。
「おい、どうしー」
心愛の様子がおかしい。
息苦しそうだ。
「心愛?大丈夫か?」
「…………」
心愛は、返事もできないほど苦しそうに顔を歪めて、苦しそうな呻き声を小さく上げた。
「心愛?おい、しっかりしろ!」
ばたん、と音がして心愛は俺の横に倒れた。
「おい、待てよ…心愛!?」
「………」
心愛は黙ったまま地面に寝そべっていた。俺は全く動かない心愛を抱き寄せた。抱き寄せた方とは反対の左手を心愛の額に当てる。
「やば…」
心愛の額は熱かった。
とても、熱かった。
「熱いじゃないか…」
心愛は、ここ最近ーいや、あいつに別れを告げられてからというもの、元気がなく魂が抜けたような状態だった。