希望の夢路
そんな体の自由が効かなくなった私を、優しい彼はきっと看病してくれるだろう。でも、それが申し訳なくて怖くて。迷惑をかけているのは、目に見えているから。だから、すぐにイエスと返事をしたかったけれどできなかった。

彼のモノを受け入れて、もし妊娠でもしてしまったら、と不安になる。
嬉しくない訳では無い。
でもこんな体の弱い私から生まれた子は、一体どんな子なのだろうか。
産んでしまって申し訳ないと思ってしまう程に可哀想な姿の赤ん坊だとしたら、彼は喜ぶわけなんかない。
私を責めて、私と子供を捨てるかもしれない。彼がそんなことをする人間ではないとはわかっていても、そんな最悪な想像しかできなかった。
それとも子供を流産するか、あるいはーその子が生き残って産んですぐに私が死ぬか。嫌な映像しか流れてこない。悲しみのスクリーン。

彼に会えなくなってしまうくらいなろ、彼との行為を拒絶した方が良い。
彼を受け入れたらきっと、彼は私の中をぐいぐいと攻める。
その結果、私の腸は再び出血してまたあの時のように下血と激しい腹痛に苦しめられるのかと思うと、一歩を踏み出せない。


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