希望の夢路
「保乃果…!心愛ちゃんを、一緒に探してくれ」
僕は急いでジャケットを着た。
「うん、任せといて…!」
僕は保乃果と彼女を探した。
ぼろぼろと涙を零していた彼女は、ショルダーバッグを床に落としたまま、走り去ってしまった。
僕は、彼女が落としたショルダーバッグを握りしめていた。このショルダーバッグは、彼女がいつも持ち歩いているものだ。肌身離さず持っていたと言っても過言ではない。このショルダーバッグには、定期券、お金、それから
悪心時と腹痛が酷くなった時のために飲む痛み止めの頓服の薬が入っている。もし気分でも悪くなったり、腹痛が襲いでもしたら…そう思うと、取り返しのつかないことをしてしまったという気持ちが僕を支配する。
この状況は、非常にまずい。
確かに、僕は彼女を気遣って我慢はしていたものの、情けないことに限界が来てしまった。欲求不満の僕は、あろうことか保乃果と体を重ねてしまった。保乃果が気持ちよくしてくれるからついーじゃなくて…!
彼女をどうにかして見つけださなければ、取り返しのつかないことになってしまう。仲直りしなきゃ。
保乃果と一生懸命探したが、彼女は見つからなかった。
「…っはあ、心愛ちゃん…」
「ごめん、博人…少し休憩しよ」
「ああ、そうだな」
僕と保乃果は、近くにあった公園のベンチに腰掛けた。すると、どこかからすすり泣きが聞こえてきた。
「…ん?」
僕は立ち上がって小さな声のする方へ向かった。その声の主は、植え込みの近くにいた。
「心愛ちゃん…!!」
僕に呼ばれた彼女は、きょろきょろと辺りを見回した。しかし、すぐに俯いた。
「心愛ちゃん?僕だよ、僕。博人」
彼女は僕の声に顔を上げたものの、何かを探すように宙を見ている。
可笑しいな。僕は君の隣に居るのにどうして僕がわからない?右はまだ見えていたはずー
「どうしたの?博人」
保乃果が僕の近くに寄ってきた。
「心愛ちゃん、いたよ」
「あ…!ほんとだ!心愛ちゃん、よかった無事で」
「…?」
彼女は目を丸くして首を傾げている。
「心愛ちゃん…?」
保乃果が彼女の名を呼ぶ。
「ほ、のちゃん」
「心愛ちゃん!」
保乃果は、無事でよかったと安堵していた。
「どこにいるの?」
「え?」
保乃果は、立ったまま彼女を呆然と見つめた。
「ここよ、ここにいるわよ」
「どこ…?どこにいるの?」
彼女は手を伸ばすが、伸ばした先は植え込みで、植え込みを触った途端びくりと彼女は体を揺らした。
「うそでしょ…見えない…?」
保乃果は愕然としていた。
僕は急いでジャケットを着た。
「うん、任せといて…!」
僕は保乃果と彼女を探した。
ぼろぼろと涙を零していた彼女は、ショルダーバッグを床に落としたまま、走り去ってしまった。
僕は、彼女が落としたショルダーバッグを握りしめていた。このショルダーバッグは、彼女がいつも持ち歩いているものだ。肌身離さず持っていたと言っても過言ではない。このショルダーバッグには、定期券、お金、それから
悪心時と腹痛が酷くなった時のために飲む痛み止めの頓服の薬が入っている。もし気分でも悪くなったり、腹痛が襲いでもしたら…そう思うと、取り返しのつかないことをしてしまったという気持ちが僕を支配する。
この状況は、非常にまずい。
確かに、僕は彼女を気遣って我慢はしていたものの、情けないことに限界が来てしまった。欲求不満の僕は、あろうことか保乃果と体を重ねてしまった。保乃果が気持ちよくしてくれるからついーじゃなくて…!
彼女をどうにかして見つけださなければ、取り返しのつかないことになってしまう。仲直りしなきゃ。
保乃果と一生懸命探したが、彼女は見つからなかった。
「…っはあ、心愛ちゃん…」
「ごめん、博人…少し休憩しよ」
「ああ、そうだな」
僕と保乃果は、近くにあった公園のベンチに腰掛けた。すると、どこかからすすり泣きが聞こえてきた。
「…ん?」
僕は立ち上がって小さな声のする方へ向かった。その声の主は、植え込みの近くにいた。
「心愛ちゃん…!!」
僕に呼ばれた彼女は、きょろきょろと辺りを見回した。しかし、すぐに俯いた。
「心愛ちゃん?僕だよ、僕。博人」
彼女は僕の声に顔を上げたものの、何かを探すように宙を見ている。
可笑しいな。僕は君の隣に居るのにどうして僕がわからない?右はまだ見えていたはずー
「どうしたの?博人」
保乃果が僕の近くに寄ってきた。
「心愛ちゃん、いたよ」
「あ…!ほんとだ!心愛ちゃん、よかった無事で」
「…?」
彼女は目を丸くして首を傾げている。
「心愛ちゃん…?」
保乃果が彼女の名を呼ぶ。
「ほ、のちゃん」
「心愛ちゃん!」
保乃果は、無事でよかったと安堵していた。
「どこにいるの?」
「え?」
保乃果は、立ったまま彼女を呆然と見つめた。
「ここよ、ここにいるわよ」
「どこ…?どこにいるの?」
彼女は手を伸ばすが、伸ばした先は植え込みで、植え込みを触った途端びくりと彼女は体を揺らした。
「うそでしょ…見えない…?」
保乃果は愕然としていた。