希望の夢路
愛の証拠
あれから、一年が経つ。
彼女からは、何の音沙汰もない。
遥香の家に行っても、彼女は僕に会おうとはしなかった。やはり、もう僕のことは嫌いになってしまったのだろうか。
何度も彼女の携帯に留守電を残しているけれど、折り返しの電話もなかった。彼女は、僕に心を壊されたと言った。それほどまでに彼女の心は、傷ついていたのだろう。彼女の苦しみも、僕はわかってあげられなかった。
いや、わかろうともしなかった。
僕は、遥香を通してしか、彼女のことを知る術がない。
「遥香、心愛ちゃんは元気か?」
「元気じゃない」
「え…?」
「心愛さん、食欲がなくて。それに、寝込むことが多くなってきたの」
「そんな…」
「口数も、かなり減ったし」
君の心を壊したのは僕なんだろ?
心愛ちゃん。
それならさ…僕に、もう一度チャンスをくれないか?もう一度君と、やり直すチャンスを。
君の心を修復するのも、僕の仕事、だよね?
「遥香。そっちに行く。心愛ちゃんを、看病する」
「心愛さん、嫌がるかもしれないけど」
「大丈夫。僕は、心愛ちゃんをもう離しはしないよ。もう二度とね」
「うん、そうして。内心は、ひろくんに会いたがってると思うから」
「うん、ありがとう遥香。すぐ行くから」
僕はすぐに電話を切って、遥香の元へ急いだ。
「心愛ちゃん…もう離さない」
僕は、遥香の家に着くなり彼女を抱きしめた。彼女は抵抗する気力さえ失っていた。彼女は、以前よりもやせ細っていた。
「離して…」
離れようとする彼女を、強く抱きしめる。
「僕の家においで」
「いやです、帰るつもりはありません」
「お願い、戻ってきて欲しい」
こんな未練がましいことはやめろ、と他人が見たら思うかもしれない。
でも僕は彼女を諦めきれないし、諦めたくない。彼女がいないと、毎日が退屈で色を失ったモノクロ写真のようなんだ。君がいるだけで、周りがぱっと明るくなる。不思議なくらい。
君は、魔法使いなのかな?
「いいから、お願い。僕は、君のことが大好きだよ。愛してるんだよ。僕は…君のことしか、考えられない。帰って、きてよ」
声が、掠れた。
「心愛ちゃん、お願い」
僕は、心愛ちゃんの左手に力を込めた。
「心愛さん、いってらっしゃいよ。
ずっと家に篭っているのも体に悪いのよ。たまには外の空気でも吸って、ね?」
遥香が、彼女の背を押してくれた。
「わかりました。…遥香さんがそう言うなら」
僕は、彼女の手をしっかりと握りしめてゆっくりと家路を辿った。
彼女からは、何の音沙汰もない。
遥香の家に行っても、彼女は僕に会おうとはしなかった。やはり、もう僕のことは嫌いになってしまったのだろうか。
何度も彼女の携帯に留守電を残しているけれど、折り返しの電話もなかった。彼女は、僕に心を壊されたと言った。それほどまでに彼女の心は、傷ついていたのだろう。彼女の苦しみも、僕はわかってあげられなかった。
いや、わかろうともしなかった。
僕は、遥香を通してしか、彼女のことを知る術がない。
「遥香、心愛ちゃんは元気か?」
「元気じゃない」
「え…?」
「心愛さん、食欲がなくて。それに、寝込むことが多くなってきたの」
「そんな…」
「口数も、かなり減ったし」
君の心を壊したのは僕なんだろ?
心愛ちゃん。
それならさ…僕に、もう一度チャンスをくれないか?もう一度君と、やり直すチャンスを。
君の心を修復するのも、僕の仕事、だよね?
「遥香。そっちに行く。心愛ちゃんを、看病する」
「心愛さん、嫌がるかもしれないけど」
「大丈夫。僕は、心愛ちゃんをもう離しはしないよ。もう二度とね」
「うん、そうして。内心は、ひろくんに会いたがってると思うから」
「うん、ありがとう遥香。すぐ行くから」
僕はすぐに電話を切って、遥香の元へ急いだ。
「心愛ちゃん…もう離さない」
僕は、遥香の家に着くなり彼女を抱きしめた。彼女は抵抗する気力さえ失っていた。彼女は、以前よりもやせ細っていた。
「離して…」
離れようとする彼女を、強く抱きしめる。
「僕の家においで」
「いやです、帰るつもりはありません」
「お願い、戻ってきて欲しい」
こんな未練がましいことはやめろ、と他人が見たら思うかもしれない。
でも僕は彼女を諦めきれないし、諦めたくない。彼女がいないと、毎日が退屈で色を失ったモノクロ写真のようなんだ。君がいるだけで、周りがぱっと明るくなる。不思議なくらい。
君は、魔法使いなのかな?
「いいから、お願い。僕は、君のことが大好きだよ。愛してるんだよ。僕は…君のことしか、考えられない。帰って、きてよ」
声が、掠れた。
「心愛ちゃん、お願い」
僕は、心愛ちゃんの左手に力を込めた。
「心愛さん、いってらっしゃいよ。
ずっと家に篭っているのも体に悪いのよ。たまには外の空気でも吸って、ね?」
遥香が、彼女の背を押してくれた。
「わかりました。…遥香さんがそう言うなら」
僕は、彼女の手をしっかりと握りしめてゆっくりと家路を辿った。