希望の夢路
「手すり、手すりだよね、これ…!」
「そうだよ」
僕は彼女がいつ帰ってきてもいいようにと、色々と準備をしていた。
目が不自由な君のために、手すりを取りつけてもらった。取り付けられるところには全て。
「取りつけて、くれたの…?」
「うん、そうだよ」
「ひろくん…」
彼女は手すりに掴まり、手すりがある方向をじっと見ていた。
「大変だったんじゃない?手すりつけるだなんて…」
「大したことないよ」
「そんなことない。お金、すごくかかったんじゃ…」
「どうってことないよ。君のためと思えば」
「私のために…?」
そうだよ。全ては君のためにしたことなんだよ。君のためならどんなことだってできる。
「ごめん、迷惑を…」
「迷惑じゃないから」
僕は、手すりに右手を置いている彼女を見て言った。
「僕は心愛ちゃんとずっと一緒にいたい。もう君を悲しませたりなんかしない。ずっと、僕のそばにいてください」
僕は手すりの上にある彼女の右手に、そっと自分の右手を重ね合わせた。
「ひろくん……」
「嫌なら…遥香の家に帰ってもいい。
すぐに返事はできないだろうから、ゆっくり考えて」
「ひろくん…」
彼女の左手が僕の手から離れ、
僕の顔をぺたぺたと触る。
くすぐったいな、笑ってしまうじゃないか。
「わたし、ね、ひろくんとずっと一緒にいたい。だから……諦めようと思ったけど、やっぱり諦めきれない。
わたし、ひろくんとずっと一緒にいる。…よろしくお願いします」
彼女は、僕に頭を下げた。
「よーし、そうとなったら!今日はずっと密着してようね」
「み、みっちゃく…」
彼女は照れていた。
「なんで照れるんだよ?今更」
「だって…密着…?」
「うん、密着」
恥ずかしいのか?
いつになったら慣れるんだろうな。
「はい、どうぞ」
僕はリビングにあるテーブルの前の椅子を引いて、彼女を座らせた。
「ありがとう」
彼女はにっこりと微笑んだ。
その笑顔に、僕は癒される。
ああ、またこの笑顔を見られるだなんて幸せだな。
疲れなんて吹っ飛ぶし嫌なことも忘れられる。やっぱり君は、魔法使いなんじゃないかな。
「そうだよ」
僕は彼女がいつ帰ってきてもいいようにと、色々と準備をしていた。
目が不自由な君のために、手すりを取りつけてもらった。取り付けられるところには全て。
「取りつけて、くれたの…?」
「うん、そうだよ」
「ひろくん…」
彼女は手すりに掴まり、手すりがある方向をじっと見ていた。
「大変だったんじゃない?手すりつけるだなんて…」
「大したことないよ」
「そんなことない。お金、すごくかかったんじゃ…」
「どうってことないよ。君のためと思えば」
「私のために…?」
そうだよ。全ては君のためにしたことなんだよ。君のためならどんなことだってできる。
「ごめん、迷惑を…」
「迷惑じゃないから」
僕は、手すりに右手を置いている彼女を見て言った。
「僕は心愛ちゃんとずっと一緒にいたい。もう君を悲しませたりなんかしない。ずっと、僕のそばにいてください」
僕は手すりの上にある彼女の右手に、そっと自分の右手を重ね合わせた。
「ひろくん……」
「嫌なら…遥香の家に帰ってもいい。
すぐに返事はできないだろうから、ゆっくり考えて」
「ひろくん…」
彼女の左手が僕の手から離れ、
僕の顔をぺたぺたと触る。
くすぐったいな、笑ってしまうじゃないか。
「わたし、ね、ひろくんとずっと一緒にいたい。だから……諦めようと思ったけど、やっぱり諦めきれない。
わたし、ひろくんとずっと一緒にいる。…よろしくお願いします」
彼女は、僕に頭を下げた。
「よーし、そうとなったら!今日はずっと密着してようね」
「み、みっちゃく…」
彼女は照れていた。
「なんで照れるんだよ?今更」
「だって…密着…?」
「うん、密着」
恥ずかしいのか?
いつになったら慣れるんだろうな。
「はい、どうぞ」
僕はリビングにあるテーブルの前の椅子を引いて、彼女を座らせた。
「ありがとう」
彼女はにっこりと微笑んだ。
その笑顔に、僕は癒される。
ああ、またこの笑顔を見られるだなんて幸せだな。
疲れなんて吹っ飛ぶし嫌なことも忘れられる。やっぱり君は、魔法使いなんじゃないかな。