希望の夢路
私は、今街を歩いている。
今のところは、何もなさそう。
地下鉄を乗るのはちょっと怖かったけど、なんとか乗ることが出来た。
駅員さんに助けてもらって乗ることが出来たから、安心した。
ドアが閉まる前に、駅員さんにお礼を言ってお辞儀をした。
お気をつけて、と言われた時はすごく嬉しくて涙が出そうになった。
地下鉄を降りて、点字を辿りながら歩いていく。止まれと進めの意味が、ようやくわかってきたところ。
点字の上を歩いていると、なぜか安心する。
少しでも気を抜くと人とぶつかりそうになる。でも、今までぶつかったことはない。
あの時を覗いてはー。
見えないけど、周りは活気づいていて
人もたくさん行き交ってるということがわかる。
少し怖いけど、もっと歩きたい。
そう思いながら点字を辿っていた時、
私の杖が、何かにぶつかった。
あれ?なんだろう?
なんか、かたい…
少し先で人の話し声と笑い声が聞こえる。
あれ?どこかで聞いたような話し声…
「だよねだよね〜!」
「あはは、さいこ〜!!」
「ねーねー、今度あそこ行ってみよ〜」
まさかと思いながらも、点字の上に人が立っているわけがないと思いながら
もう一度、私は先にある点字を杖で辿った。
やっぱり、何かにぶつかる。
なんだろう…?
「ちょっと!さっきから何してんのよ!私の足そんなにばんばん叩かないでよ!」
そ、そんな…!
まさかあの時の?
「ご、ごめんなさい!そういうつもりではなくて…」
やっぱり、あの時の子だ。
「さいてー!洋子の足蹴るとか、なにやってんの?」
もう一人の子が、先程の子と同様に大声で叫ぶ。確かこの子は、美咲って名前だったっけ。
「ちょっと、もっと謝りなさいよ!気持ちがこもってないのよ!」
もう一人、声の高い子がそう言い放った。この子は、愛花、だったかな。
私、そんなにばんばん叩いてない。
それに、私の行く手を阻もうとしているのは明らかにわかっている。
「この前のやつじゃん」
「ねーねー、愛花〜、私足折れた!いったいんだけどー!」
洋子は大声で、周りに聞こえるように言った。
そんなこと言われても。
私、何もしてないよ。
ただ、点字を辿って前へ進もうとしただけ。
なのに…
「あの…」
私は震える声で言った。
「私、ただ点字の上を歩いていただけです。道を開けてください」
「なに?私は悪くないって?悲劇のヒロインぶるんじゃないわよ!」
美咲が、私の肩を叩いた。
「いたい…」
「はあ?よく人の足を蹴っといてよく言えるわね?」
洋子が私の持っていた杖を取り上げた。
「あっ…!返してください!」
私は、杖を取り返そうと必死で杖を探したが、見えないから杖がどこにあるかもわからなくて、手は宙をさまよっていた。
「ほーら、返してやるわよ!」
そう言いながら、洋子は私の杖を放り投げた。杖が床に落ちて転がったような音が辺りに響く。
「ど、どこ……」
私は床に手を這わせて杖を探した。
「マジで見えないの?演技かと思ったわ」
三人は、げらげらと笑っていた。
もしかしたら、腹を抱えて笑っていたのかもしれない。
今のところは、何もなさそう。
地下鉄を乗るのはちょっと怖かったけど、なんとか乗ることが出来た。
駅員さんに助けてもらって乗ることが出来たから、安心した。
ドアが閉まる前に、駅員さんにお礼を言ってお辞儀をした。
お気をつけて、と言われた時はすごく嬉しくて涙が出そうになった。
地下鉄を降りて、点字を辿りながら歩いていく。止まれと進めの意味が、ようやくわかってきたところ。
点字の上を歩いていると、なぜか安心する。
少しでも気を抜くと人とぶつかりそうになる。でも、今までぶつかったことはない。
あの時を覗いてはー。
見えないけど、周りは活気づいていて
人もたくさん行き交ってるということがわかる。
少し怖いけど、もっと歩きたい。
そう思いながら点字を辿っていた時、
私の杖が、何かにぶつかった。
あれ?なんだろう?
なんか、かたい…
少し先で人の話し声と笑い声が聞こえる。
あれ?どこかで聞いたような話し声…
「だよねだよね〜!」
「あはは、さいこ〜!!」
「ねーねー、今度あそこ行ってみよ〜」
まさかと思いながらも、点字の上に人が立っているわけがないと思いながら
もう一度、私は先にある点字を杖で辿った。
やっぱり、何かにぶつかる。
なんだろう…?
「ちょっと!さっきから何してんのよ!私の足そんなにばんばん叩かないでよ!」
そ、そんな…!
まさかあの時の?
「ご、ごめんなさい!そういうつもりではなくて…」
やっぱり、あの時の子だ。
「さいてー!洋子の足蹴るとか、なにやってんの?」
もう一人の子が、先程の子と同様に大声で叫ぶ。確かこの子は、美咲って名前だったっけ。
「ちょっと、もっと謝りなさいよ!気持ちがこもってないのよ!」
もう一人、声の高い子がそう言い放った。この子は、愛花、だったかな。
私、そんなにばんばん叩いてない。
それに、私の行く手を阻もうとしているのは明らかにわかっている。
「この前のやつじゃん」
「ねーねー、愛花〜、私足折れた!いったいんだけどー!」
洋子は大声で、周りに聞こえるように言った。
そんなこと言われても。
私、何もしてないよ。
ただ、点字を辿って前へ進もうとしただけ。
なのに…
「あの…」
私は震える声で言った。
「私、ただ点字の上を歩いていただけです。道を開けてください」
「なに?私は悪くないって?悲劇のヒロインぶるんじゃないわよ!」
美咲が、私の肩を叩いた。
「いたい…」
「はあ?よく人の足を蹴っといてよく言えるわね?」
洋子が私の持っていた杖を取り上げた。
「あっ…!返してください!」
私は、杖を取り返そうと必死で杖を探したが、見えないから杖がどこにあるかもわからなくて、手は宙をさまよっていた。
「ほーら、返してやるわよ!」
そう言いながら、洋子は私の杖を放り投げた。杖が床に落ちて転がったような音が辺りに響く。
「ど、どこ……」
私は床に手を這わせて杖を探した。
「マジで見えないの?演技かと思ったわ」
三人は、げらげらと笑っていた。
もしかしたら、腹を抱えて笑っていたのかもしれない。