希望の夢路
「心愛ちゃん」
「なに?」
私が首を傾げると、真剣な目でじっと見つめてくる彼。
「どんな病気なんだ?」
「それは…」
「病名は?」
「えっと…」
彼が矢継ぎ早に質問してくるから、
戸惑ってしまう。
「あっ、ごめん…。えっと…まず、病名は?」
「潰瘍性大腸炎」
「潰瘍性大腸炎?聞いたことのない病名だな」
「うん、私も最初、何それ?って感じだった」
「そうだよね。聞いたことないよ、僕も。それで…症状は?」
「激しい腹痛と下痢。吐き気も酷かった。起きてるのも座ってるのも辛くて」
「そうだったのか…」
彼は私の手を再び擦り始めた。
「他に症状は?」
「酷い時は、その…」
私は言うのを躊躇った。
しかし、彼の真っ直ぐな視線に耐えきれずに私は重い口を開いた。
「酷い時はね、たくさん下血したの。
それに、血便も…」
彼が目を見開いた。
「そんなに下血したのか!?それに、血便って…」
言葉なかなか出てこないのか、彼はしばらく絶句していた。
「私もびっくりした」
「びっくりした、どころじゃないだろ!?大丈夫なのか?」
彼は私の両肩を掴んで言った。
「ありがとう、ひろくん」
私は彼の腕にそっと触れた。
「もう下血はしてないし、血便も出てないから」
「笑ってる場合じゃない。油断しちゃ、また同じことになる。気をつけないと」
「うん…」
「いつ下血するかなんて、わからないんだろ?」
「うん、だから気をつけて…」
「危機感が足りない。二年経った、ってだけで病状が良くなったとは限らないんだぞ」
「大丈夫。良くなってきたって、先生も言ってたし」
「油断は禁物だと、言っているだろ」
彼は、私のことをとても心配してくれている。
「うん…気をつける。ごめんなさい…」
「…わかれば、いいんだ」
彼が私の髪を撫でた。
「酷い時はどのくらい下血していたんだ?」
「すごく、たくさん。真っ赤に染まってたから」
「そんなに…」
「血便も…血が混じってて」
私は、大量に下血し血便を初めて見た時のことを思い出していた。
怖かった。怖くて怖くて、現実を受け入れられなかった。
「なに?」
私が首を傾げると、真剣な目でじっと見つめてくる彼。
「どんな病気なんだ?」
「それは…」
「病名は?」
「えっと…」
彼が矢継ぎ早に質問してくるから、
戸惑ってしまう。
「あっ、ごめん…。えっと…まず、病名は?」
「潰瘍性大腸炎」
「潰瘍性大腸炎?聞いたことのない病名だな」
「うん、私も最初、何それ?って感じだった」
「そうだよね。聞いたことないよ、僕も。それで…症状は?」
「激しい腹痛と下痢。吐き気も酷かった。起きてるのも座ってるのも辛くて」
「そうだったのか…」
彼は私の手を再び擦り始めた。
「他に症状は?」
「酷い時は、その…」
私は言うのを躊躇った。
しかし、彼の真っ直ぐな視線に耐えきれずに私は重い口を開いた。
「酷い時はね、たくさん下血したの。
それに、血便も…」
彼が目を見開いた。
「そんなに下血したのか!?それに、血便って…」
言葉なかなか出てこないのか、彼はしばらく絶句していた。
「私もびっくりした」
「びっくりした、どころじゃないだろ!?大丈夫なのか?」
彼は私の両肩を掴んで言った。
「ありがとう、ひろくん」
私は彼の腕にそっと触れた。
「もう下血はしてないし、血便も出てないから」
「笑ってる場合じゃない。油断しちゃ、また同じことになる。気をつけないと」
「うん…」
「いつ下血するかなんて、わからないんだろ?」
「うん、だから気をつけて…」
「危機感が足りない。二年経った、ってだけで病状が良くなったとは限らないんだぞ」
「大丈夫。良くなってきたって、先生も言ってたし」
「油断は禁物だと、言っているだろ」
彼は、私のことをとても心配してくれている。
「うん…気をつける。ごめんなさい…」
「…わかれば、いいんだ」
彼が私の髪を撫でた。
「酷い時はどのくらい下血していたんだ?」
「すごく、たくさん。真っ赤に染まってたから」
「そんなに…」
「血便も…血が混じってて」
私は、大量に下血し血便を初めて見た時のことを思い出していた。
怖かった。怖くて怖くて、現実を受け入れられなかった。