希望の夢路
恋敵は強引御曹司
私は、博人と大切な話をするために駅の改札口で待っていた。
これがデートならいいのに、と私は行き交う人々をただ黙って見ていた。
そんなことは有り得ないとわかっていても、期待してしまう自分がそこにいる。博人に会えると思うと、わくわくしている自分がいる。
そんな自分に嫌気がさしていると、
「保乃果!」
息を切らしながら博人が走ってきた。
「悪い…遅れた」
「大丈夫よ。私、今来たとこだし」
「そっか…それならよかった」
逆じゃない、この会話。
もしデートだったら、私が遅れてごめんって謝って、博人が今来たところだから大丈夫、っていうとこじゃない。
逆。何もかも、私達は逆。
それに、今来たところ、だなんて嘘。
本当は博人に会いたくて仕方なくて、一時間以上待ってたんだからね。
足が棒になっちゃったよ。
「それで…結果は?」
そんな私の気持ちは見事に打ち砕かれ、本来の目的である仕事の話に引き戻された。
「話す。けど、ちょっと外出ていい?」
私は、駅の外へ出た。
博人も私に少し遅れて歩いていたが、いつの間にか私の隣に並んで歩いていた。
「あのさ」
私が足を止め、博人を見た。
博人は不思議そうな顔をして立っていた。どんなことをしていても整った顔立ちは変わらず、少々苛立つ。
「保乃果とは付き合えないぞ」
「わかってるってば。そういう話じゃなくて…!」
「わかってるって。…で?」
笑ったのはほんの一瞬で、すぐに怖いほど真剣な顔をする博人。
結果はどうだったんだ、と博人は私に迫った。
僕が好きか嫌いか、と迫られるなら嬉しいのにと思ったが、そんなことを考えても仕方のないことだ。
これがデートならいいのに、と私は行き交う人々をただ黙って見ていた。
そんなことは有り得ないとわかっていても、期待してしまう自分がそこにいる。博人に会えると思うと、わくわくしている自分がいる。
そんな自分に嫌気がさしていると、
「保乃果!」
息を切らしながら博人が走ってきた。
「悪い…遅れた」
「大丈夫よ。私、今来たとこだし」
「そっか…それならよかった」
逆じゃない、この会話。
もしデートだったら、私が遅れてごめんって謝って、博人が今来たところだから大丈夫、っていうとこじゃない。
逆。何もかも、私達は逆。
それに、今来たところ、だなんて嘘。
本当は博人に会いたくて仕方なくて、一時間以上待ってたんだからね。
足が棒になっちゃったよ。
「それで…結果は?」
そんな私の気持ちは見事に打ち砕かれ、本来の目的である仕事の話に引き戻された。
「話す。けど、ちょっと外出ていい?」
私は、駅の外へ出た。
博人も私に少し遅れて歩いていたが、いつの間にか私の隣に並んで歩いていた。
「あのさ」
私が足を止め、博人を見た。
博人は不思議そうな顔をして立っていた。どんなことをしていても整った顔立ちは変わらず、少々苛立つ。
「保乃果とは付き合えないぞ」
「わかってるってば。そういう話じゃなくて…!」
「わかってるって。…で?」
笑ったのはほんの一瞬で、すぐに怖いほど真剣な顔をする博人。
結果はどうだったんだ、と博人は私に迫った。
僕が好きか嫌いか、と迫られるなら嬉しいのにと思ったが、そんなことを考えても仕方のないことだ。