希望の夢路
「結論から言うと、ちょっと厄介かも」
「…厄介?どういうことだよ」
「心愛ちゃん…口説かれてる」
「は?…口説かれてる?」
博人はぽかんと口を開けていた。
そりゃそうだ。まさか、大好きな
彼女が口説かれているだなんて、夢にも思わなかっただろう。
「口説かれてるって、誰にだよ」
私と博人は、駅の近くにあるベンチに腰掛けた。
「それがね」
厄介なのは、心愛ちゃんを熱心に口説くあの男だ。強引だから、何をしでかすかわからない。
「早く言えよ。気になるだろ」
「相手は、心愛ちゃんの高校からの同級生で、大学も一緒だった男」
「高校から…なるほどな」
「性格は博人と正反対…かな」
「正反対?」
「うん。優しいというより、ちょっと強引…いや、かなり強引だったかも…。心愛ちゃんの好きなタイプではないみたい。心愛ちゃんが好きなのは優しい人で、大好きなのは博人だけだってさ」
「それって」
博人が身を乗り出して言った。
「心愛ちゃん情報」
「ああ、そうか…。心愛ちゃん情報なら安心だな」
何なのよ、全くもう。
それじゃあ、まるで私の情報が信憑性がないみたいじゃないの。ほんっと、失礼…!
「で、その男は心愛ちゃんと同い年なんだよな?」
「同い年というか、学年は同じだけど年は一個上ね」
「なるほど。高校からの同級生ってことは、昔の心愛ちゃんも知ってるってことになるよな」
彼が切ない目で遠くを見るから、何故だかこっちも胸がきゅーっと締めつけられる感じがして、苦しくなった。
「…厄介?どういうことだよ」
「心愛ちゃん…口説かれてる」
「は?…口説かれてる?」
博人はぽかんと口を開けていた。
そりゃそうだ。まさか、大好きな
彼女が口説かれているだなんて、夢にも思わなかっただろう。
「口説かれてるって、誰にだよ」
私と博人は、駅の近くにあるベンチに腰掛けた。
「それがね」
厄介なのは、心愛ちゃんを熱心に口説くあの男だ。強引だから、何をしでかすかわからない。
「早く言えよ。気になるだろ」
「相手は、心愛ちゃんの高校からの同級生で、大学も一緒だった男」
「高校から…なるほどな」
「性格は博人と正反対…かな」
「正反対?」
「うん。優しいというより、ちょっと強引…いや、かなり強引だったかも…。心愛ちゃんの好きなタイプではないみたい。心愛ちゃんが好きなのは優しい人で、大好きなのは博人だけだってさ」
「それって」
博人が身を乗り出して言った。
「心愛ちゃん情報」
「ああ、そうか…。心愛ちゃん情報なら安心だな」
何なのよ、全くもう。
それじゃあ、まるで私の情報が信憑性がないみたいじゃないの。ほんっと、失礼…!
「で、その男は心愛ちゃんと同い年なんだよな?」
「同い年というか、学年は同じだけど年は一個上ね」
「なるほど。高校からの同級生ってことは、昔の心愛ちゃんも知ってるってことになるよな」
彼が切ない目で遠くを見るから、何故だかこっちも胸がきゅーっと締めつけられる感じがして、苦しくなった。