希望の夢路
「昔の心愛ちゃんを知ってるだなんてずるい。僕だって、もっともっと前に…心愛ちゃんに出会いたかった。そいつよりも、前に…」
博人が唇を噛んだ。
とても悔しそうだ。
「心愛ちゃんのことは全部…わかっていたつもりだったのに。僕はまだ、心愛ちゃんの全てを知らなかったんだな」
こんな悔しそうな博人は、初めてだ。
「保乃果」
「なに?」
「そいつは、イケメンか?頭は良いのか?」
心愛ちゃんは、面食いだから気にしているんだろうな。そこは気にしなくてもいいのに。博人の方がイケメンだし、すらっとした体型だしーって、いけないいけない。博人への恋の炎は、まだくすぶっていて消えていない。
ちゃんと消さないと。
「全然イケメンじゃないよ。頭は良いかもしれないけど…ちょっとだけ太ってるかな」
「なるほどな。まずは、安心した」
私は、思わず笑ってしまった。
すると、博人は拗ねた。
拗ねたところは、昔と変わらなくて可愛いな、と思った。
「何笑ってんだよ」
「別に〜?」
私は適当に、自分の気持ちを笑って誤魔化した。
「ったく…で?」
「え?」
「そいつの名前」
「矢崎智也」
「矢崎、智也」
博人は怒りのこもった目で、智也の名を口にした。
「許せねえ…」
そう呟いた声は、確かに私の耳に届いた。しかしこの声は、風に連れ去られどこか遠くへ行ってしまった。
博人が唇を噛んだ。
とても悔しそうだ。
「心愛ちゃんのことは全部…わかっていたつもりだったのに。僕はまだ、心愛ちゃんの全てを知らなかったんだな」
こんな悔しそうな博人は、初めてだ。
「保乃果」
「なに?」
「そいつは、イケメンか?頭は良いのか?」
心愛ちゃんは、面食いだから気にしているんだろうな。そこは気にしなくてもいいのに。博人の方がイケメンだし、すらっとした体型だしーって、いけないいけない。博人への恋の炎は、まだくすぶっていて消えていない。
ちゃんと消さないと。
「全然イケメンじゃないよ。頭は良いかもしれないけど…ちょっとだけ太ってるかな」
「なるほどな。まずは、安心した」
私は、思わず笑ってしまった。
すると、博人は拗ねた。
拗ねたところは、昔と変わらなくて可愛いな、と思った。
「何笑ってんだよ」
「別に〜?」
私は適当に、自分の気持ちを笑って誤魔化した。
「ったく…で?」
「え?」
「そいつの名前」
「矢崎智也」
「矢崎、智也」
博人は怒りのこもった目で、智也の名を口にした。
「許せねえ…」
そう呟いた声は、確かに私の耳に届いた。しかしこの声は、風に連れ去られどこか遠くへ行ってしまった。