金平糖でうめつくして。







「金平糖の意味って、すっごく素敵だね」



昼休み。 隣に芹中がいる。



こんな状況、一昨日までの私には想像すらできていなかったのに。



「芹中、物知りだね、さすが」



その言葉に、そんなことない、と首を横に振る。



「昨日、木梨が金平糖を好きって言ってたから調べただけで……」



決して、もとから知っていたわけでは!……と言おうとしたが、木梨が目を見開いていたから、言葉をのみこんだ。



「芹中は……金平糖がいちばん好き!……ってわけじゃなかったの?」



「い、いちばん……では、ないかな」



答えると、木梨は顔を真っ赤にした。



バッ、と手で覆って隠したけど……隙間からみえてるよ、木梨。



「俺……芹中が金平糖を好きなら、と思って。



共通点があるって知らせて、興味をもたせたいなっていう下心で“金平糖大好き”とか言いました……」



……え?
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