金平糖でうめつくして。



出された手を繋がない、って選択肢は、私のなかでありえない。



「……私も、木梨が金平糖を好きって言ったから、金平糖のことを調べてきて、理解のある女を演出しようとしてました。



完全に下心です。



そんな女ですけど……木梨が、大好きです」



あぁ、私、なに言ってるんだろ。



こんなかっこ悪いこと言うつもりじゃなかった。



多分、クラスカースト上位の女の子なら、『木梨くんが大好きで……付き合ってください!』とか、丸文字で言葉が綴られた吹き出しがつくような、可愛い告白をするんだろうな。



でも、それを私ができないのは、可愛くないから。



そして、このタイミングを逃すまい!と全力だから。
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