もう、我慢すんのやめた
ううん。
顔だけじゃなくて、耳まで真っ赤だ。
”佐倉”くんだけに、サクラ色なら可愛いけれど。隠しようのない茹でダコ色。
「佐倉くん、赤面症なの!?」
「……中学ん頃から軽い女性恐怖症」
「女性恐怖症?何それ、女子が怖いの?」
「怖いっつーか。……どう接していいか分かんねぇんだよ」
その場に、頭を抱えてうずくまる佐倉くん。
「じゃあ今朝のことも……」
ただ単に、私のことが嫌いとか、それだけじゃないのかな?
「……昔から特定の誰かとかじゃなくて、女はみんな苦手。うるさいし」
そっか、女子に免疫がないだけか。
だからテツとは普通に話せたんだ。
……じゃあ今、佐倉くんはすっごい勇気を出して私と話してくれてるってことだよね。
そう思うと、温かい気持ちが溢れてくる。
「そっか。ありがとう、嬉しい!」
「意味わかんねぇ、何がだよ」
「佐倉くんなりにちゃんと、向き合ってくれて」
あ、また少し赤くなった。
なんだ、佐倉くんってスカしてるように見えて意外と分かりやすい?