もう、我慢すんのやめた
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「はい、芽唯の負け〜!いってら」
夏休みが明けた。
初日の今日は学力テストだった。
夏休みの前後はテストばっかりで嫌になる。
5教科のテストを5時間びっちり受けて、やっと掃除の時間がやってきたって言うのに
「なんで示し合わせたみたいに、みんなパーなの?」
「じゃんけんって、あいこ以外は誰か1人が負けるようになってんのよ〜」
「ずべこべ言わず行ってこ〜い!」
教室掃除担当の私は、同じ班のみんなとごみ捨てじゃんけんをしてまんまと負けた。
絶対、グーで勝てると思ったのに。
誰か一人くらいグー出してくれたっていいじゃん。よりによって、ごみ捨て……。
1人になると、すぐに昨日の弥一との水族館での記憶が蘇ってくるから、なるべくみんなと一緒にワイワイしてたかったのに。
「はぁ。じゃあ、行ってくるよ〜」
大きいゴミ袋2つ分。
両手で持ち上げて「う”っ」と声を漏らす。
教室のゴミ袋って無駄に重いからほんっと、やだ。
”いってら〜”なんてゆるい声に見送られて教室を出て、目指すは生徒玄関を出て少し歩いたところにあるゴミ捨て場。……地味に遠い。