もう、我慢すんのやめた
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「ねぇ、追加のダンボールまだ??」
「あーそれなら今、林田たちが取りに行ってるところだけど」
もうすぐ教室の装飾が完成する。
お客さんたちは教室には入らず、廊下から窓越しに注文を受けて教室の中でタピオカを作って渡す。
たったそれだけの単純な出し物にしたから、その分、装飾にはこだわりたいね!って。
みんなで力を合わせて看板や呼び込みのチラシを作った。教室の中もファンシーな雰囲気で、教室の前には写真スポットまで作った。
大きなハートの中にいちごミルクタピオカのイラストが書かれたラブリーな背景。
まさにインツタ映え間違いなし。
ここでみんなに自分のタピオカ片手に写真撮ってもらいたいな。
「何やってんだろ?さては林田、また途中で遊んでやがるなー」
教室の入口を飾るためのダンボールが不足して、クラスメイトが取りに出てから数分。
クラスの女子たちが林田を疑い始めた頃、
「林田のクラスってここ?」
教室の入口に、見知らぬ男子生徒が数人。
ダンボールを担いで立っている。