もう、我慢すんのやめた
結局のところ私は偽善者で、いつも自分のためにしか行動できない。
佐倉に付き合ってもらってるのも、弥一を忘れたいっていう自分勝手な気持ちから。
佐倉を好きになって、弥一との関係にケジメを付けるって決めたのも、自分がスッキリした気持ちで佐倉に気持ちを伝えたいから。
別に弥一が望んだことじゃない。
別に弥一のことなんて無視して、あの場で佐倉に自分の気持ちを伝えることだって出来たはずなのに、変なこだわりを発揮したのは私で。
そんな事のために、公園に呼び出した。
場所なんてどこでも良かったのに。
全部、全部、私のせい。
それにきっと、あの小さな命を助けたかったのも、自分の正義のため。見て見ぬふりした後の、後味の悪さを私は知りたくなかったんだ。
震える体を抱きしめたとき、同じくらい震えてる自分に驚いたけど。
それはきっと、私自身になんの覚悟もなかったから。傷付く覚悟なんて、これっぽっちもなかったんだ。
結果、私が弥一をこんな目に遭わせた。