もう、我慢すんのやめた
「ごめん、弥一……ごめんね」
まだ眠ったままの弥一の手をギュッと強く両手で握れば、自然とそんな言葉が漏れる。
どんなに悔やんだって戻らない時間。
私が泣いていいわけないって分かってるけど、このまま弥一が目を覚まさなかったらって思うと、怖くなって
気づけばポロポロ、大粒の涙が頬を伝う。
「うぅ……、弥一ぃ……ごめんなさい」
静かに、声を殺して泣くけれど、声を殺すことに気を取られて、握りしめていた弥一の手を思いのほか強い力で握っていることに気付いた。
と、同時に……
「……っ、弥一!?」
その手をギュッと握り返された気がして、私は涙でぐしゃぐしゃになった顔を上げた。
「……ばか、何……泣いてんだよ」
「っ、弥一ぃ……!よかった、よかったよぉ〜」
泣きじゃくる私の頬に手を伸ばして、薄く唇で笑う弥一に、安心した私はますます涙が込み上げて来る。
「い、今……せんせ、呼んでくる!待ってて……って」
ガタッと音を立ててパイプ椅子から立ち上がった私の腕を、弱々しく弥一が引き止めるから