もう、我慢すんのやめた

『弥一への罪悪感がどんなもんか知らないけど、佐倉への罪悪感はどうなるの?今まで散々助けられたんじゃないの?』


『芽唯の言い方、佐倉のためみたいに聞こえる。違うかんね?結局、最後はまた自分を守るために佐倉を傷付けてさようならしただけじゃん!いい加減、都合よすぎ!』


あの時の萌菜は、正直嫌いだって思った。
私にどうしろって言うの?って。


無条件に抱きしめて、優しく慰めてもらえるとすら思ってたから。


だけど、冷静になればなるほど萌菜に言われた言葉の意味を理解して。全部、正しいなって思った。


上辺だけじゃなくて、私を本当に大事に思ってくれてるからこその言葉なんだろうなって思ったら、すごいありがたいことだなって。


そんな萌菜にこれまで何度助けられたか分からない。

あー、なんか私……人に助けられてばっかりだな。




「なんだよ、お前らほんっとノリ悪ぃ〜!あ、でも佐倉は強制だから!大丈夫、俺のおごりだって!バイトの給料入ったばっかだし!」

「は?いいって、俺は……、おい!テツ!」


靴をはきかえたテツは、嫌がる佐倉を無理やり引きずるように玄関へと進む。

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