もう、我慢すんのやめた


佐倉に気持ちを伝えていたら、今頃私たちは両思いだったはずで。幸せだったかな……幸せだっただろうな。


朝は【おはよう】を送りあって、お昼にみんなでご飯を食べて。移動教室もみんなでワイワイ移動するの。

休み時間はたまに2人で自販機までデートして。


放課後は当たり前みたいに2人で帰る。
もちろん、恋人繋ぎで。

たまに、私のわがままを聞いて放課後デート。


色んなとこに2人で行って、その度に2人で写真を撮りたがる私と、嫌がる佐倉……ってオチ。



って、何考えてるんだろう。
もうそんな未来は有り得っこないのに。

例え、弥一のケガが完治してそばにいる必要がなくなったとしても、私は佐倉に気持ちを伝えたりしない。


だってそんなの、都合良すぎるもん。


「すげぇお人好しなの、昔から変わんねぇな」

「そうかな?……全然お人好しじゃないよ。私って結構自分のことばっかりだし」

「……じゃあ俺、まだ芽唯の知らねぇとこいっぱいあんのかな?あんなにずっと一緒だったのに、なんか悔しい」

「ハハッ、なにそれ」
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