もう、我慢すんのやめた
いつも以上によく笑う弥一を見ていると、私といる時間を楽しんでくれてるのかなって思うから。
今日、弥一に言おうって決心してきた気持ちがグラグラと揺れる。
なんにも考えずに楽しんで、最後にやっぱりちゃんと弥一との関係にけじめをつけようって考え。
だけど、そんな決心をしてきた以上、何も考えずに楽しむなんて無理な話だ。
「何から行く?」
「順番にパンフレット通りこっちから回ろうよ!あ、イルカショーは絶対観る!」
「言うと思った。13時半かららしいよ」
「へぇ、弥一詳しいね!デートで来たことあるとか?」
なんてことなく口をついて出た言葉。
だけど、テンポよく会話していたはずなのに、弥一からの返事が途絶えて
不思議に思って、パンフレットから顔を上げれば
「昨日、楽しみすぎて寝る前に調べたんだよ。芽唯、イルカ好きだったなーって」
「っ、」
思いのほか顔を赤くした弥一と視線がぶつかった。何それ、そんな顔されたらどうしていいかわかんないよ。