もう、我慢すんのやめた

「う、ううん!」

それでも今、初めて佐倉くんが私を受け入れてくれた。そんな気がして素直に嬉しい。


「あと、朝のことだけど」

「……朝のこと?」

「キツイこと言って悪かった」


私から視線を外したまま、小さく呟かれた言葉。


……何それ。
このタイミングでそれは、拍子抜けすぎる。

転校してきたばっかで佐倉くんにだって気持ち的に色々あるんだろうし、


今朝のことは気にしないようにしようって思ってたけど。


誰かに聞いて欲しくて、さっきも萌菜に報告してた。

本当は、どこかに小さなトゲが刺さったままで。それがふとした瞬間にチクチク疼いて気になって、




結局、これっぽっちも”大丈夫”なんかじゃなかった。



「うん。私も馴れ馴れしくてごめん」

「いや……別に」


相変わらず、目は見てもらえないけど。

宙ぶらりんだった手を降ろした私は、改めて佐倉くんともっと仲良くなりたいと思っている。

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