もう、我慢すんのやめた
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アンティークな雑貨に囲まれたオシャレな店内。
この空間だけ、ヨーロッパみたい。
"私たちには似合わない場所だけど、場所さえ借りれたらそれでおっけ〜っしょ!"
終業式の日に萌菜が言ってた言葉の意味を、今日ここに来てやっと理解した。
萌菜、ここでバイトしてるのか〜。
ちょっと想像出来ないかも。
「よーし!これで準備おっけ〜」
「あとは全員揃うの待つだけだな!」
2人で楽しく装飾していたらしい萌菜とテツは上機嫌で、合流した時にはうっすら良い雰囲気だった。
これじゃあ、くっつくのも時間の問題かな。
早く2人が幸せになればいいのに……。
焦れったいっていうのはまさにこれだ。
相変わらず、楽しそうにあーでもないこーでもないと言い合う2人を店内に残して、私はバルコニーのドアをそっと開けた。
バルコニーで黄昏る背中にゆっくり近づいて
「夕日、綺麗だね」
なんて声をかけようか迷った私は、普段思っても言わないようなセリフを吐いて、ただのロマンチストと化して……無言のままの佐倉のせいで
今、猛烈に恥ずかしい。