おじさんは予防線にはなりません
今日着てきた浴衣は呉服部で宗正さんが選んでくれたのだ。
「これはオレからのプレゼント」
こそこそと宗正さんの手が私のあたまで動く。
「鏡、見てみて」
持っているコンパクトミラーを開いて見る。
三つ編みを添えて簡単にお団子にしてきた髪に、桜色の花のかんざしが揺れていた。
「詩乃(うたの)に似合うって思って。
それに今日の浴衣、ピンクの花柄だから合うかなって」
ぽりぽりと照れくさそうに宗正さんが頬を掻く。
「……今日は名前で呼びたいけど、ダメかな」
自信なさげに上目遣いでうかがわれると怒る気にはなれない。
以前は計算だと思っていたけれど、これはどうも池松さんと同じで天然らしい。
「いいですよ。
かんざし、ありがとうございます」
「うん。
行こっか」
「これはオレからのプレゼント」
こそこそと宗正さんの手が私のあたまで動く。
「鏡、見てみて」
持っているコンパクトミラーを開いて見る。
三つ編みを添えて簡単にお団子にしてきた髪に、桜色の花のかんざしが揺れていた。
「詩乃(うたの)に似合うって思って。
それに今日の浴衣、ピンクの花柄だから合うかなって」
ぽりぽりと照れくさそうに宗正さんが頬を掻く。
「……今日は名前で呼びたいけど、ダメかな」
自信なさげに上目遣いでうかがわれると怒る気にはなれない。
以前は計算だと思っていたけれど、これはどうも池松さんと同じで天然らしい。
「いいですよ。
かんざし、ありがとうございます」
「うん。
行こっか」