おじさんは予防線にはなりません
また宗正さんが拗ね、だんだんめんどくさくなってきた。

「大河は浴衣じゃないん……だね」

「そうだよー。
浴衣で揃えてもいいけどさ。
慣れない浴衣だと、詩乃をかっこよく守れないからね」

そういう気遣いはまた、女慣れしているんだろうなと感じさせた。
こんなに可愛くて女性にもてる宗正さんがどうして私なんかにこだわるのか、やはりわからない。

「お腹空いていない?
なにか買ってくるよ」

「えっ、私も、それにお金、」

宗正さんが立ち上がり、慌てて私も立ち上がろうとしたけど止められた。

「今日はオレにおごらせて。
じゃ、待っててねー」

ひらひらと手を振って、宗正さんは私を残して行ってしまった。
ひとりになって暇になり携帯をチェックすると、池松さんからメッセージが入っていた。
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