おじさんは予防線にはなりません
「詩乃」
改札を出ると宗正さんが私に手を振る。
いつもそう。
絶対、私より早く来ている。
しかし、黒パンツと白のVネックTシャツにグレーのジレを羽織り、大好きなご主人様が来た! って顔で笑われると、眩しすぎて困る。
「待った?」
「ううん、全然。
いこっか」
さりげなく私を促して宗正さんは歩き出した。
必ず私を歩道側にしてくれるし、歩く早さはゆっくり目で合わせてくれている。
映画館ではすでに、宗正さんはチケットを買ってあった。
「あの、お金」
バッグから財布を出そうとしたけれど、宗正さんに止められる。
改札を出ると宗正さんが私に手を振る。
いつもそう。
絶対、私より早く来ている。
しかし、黒パンツと白のVネックTシャツにグレーのジレを羽織り、大好きなご主人様が来た! って顔で笑われると、眩しすぎて困る。
「待った?」
「ううん、全然。
いこっか」
さりげなく私を促して宗正さんは歩き出した。
必ず私を歩道側にしてくれるし、歩く早さはゆっくり目で合わせてくれている。
映画館ではすでに、宗正さんはチケットを買ってあった。
「あの、お金」
バッグから財布を出そうとしたけれど、宗正さんに止められる。