おじさんは予防線にはなりません
というか、ここ、どこ!?

慌ててベッドを抜け出て、部屋を出る。
着ていた服は昨日のままで、ただしそのまま寝ていたのでしわしわだ。

「おー、羽坂、起きたのか」

ソファーから起き上がった池松さんがボリボリとあたまを掻いている。
彼の方はTシャツにハーフパンツと、家着のようだった。

「お、おはようござい、……ます」

なんだかばつが悪く、きょときょとと視線が泳ぐ。

「んー、シャワー浴びてこい?
着替えは……」

立ち上がった池松さんは私が出てきた部屋へ消えていった。
少しして服を抱えて戻ってくる。

「妻のだが、未使用だからいいだろ。
風呂はそこ、だから」

「ありがとう、ござい、……ます」

渡された服を持って、示された浴室へ急ぐ。
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