おじさんは予防線にはなりません
ただひたすら黙って、食事を口に運んだ。

「ごちそうさまでした」

「ん。
おそまつさん」

朝食が終わり、池松さんは後片付けをはじめた。

「あの、手伝います」

「いいから、座っとけ。
それより二日酔いは大丈夫か。
って、あんだけ食えたら平気か」

「ご迷惑をおかけしました」

苦笑いの池松さんへ私も苦笑いで返し、お言葉に甘えてソファーに座る。
携帯にはいくつも大河からメッセージが入っていた。

【ごめん、ちょっと布浦うっとうしくて外出てた】

【池松係長が送っていったらしいけど、ちゃんと帰り着いた?】

【もしかしてもう、寝てる?】

【詩乃いま、どこいるの?】
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