おじさんは予防線にはなりません
「あっれー、めずらしー。
和佳が女の子連れ込んでるー」

けらけらと世理さんが笑い、池松さんは苦々しそうに顔をしかめた。

「……羽坂が酔い潰れて寝落ちたから、仕方なく連れて帰っただけだ」

「えー?
別に言い訳しなくていいのよー。
だいたい、互いに浮気は公認でしょ」

靴を脱ぎ、世理さんが部屋の中へと消えていく。
私はどうしていいのかわからずに、ただ突っ立っていた。

「あー、化粧品、使ったんだー」

寝室から世理さんの声が響いてくる。
もしかして、マズかったんだろうか。

「まだ時間あるー?
ちょうどいいからいろいろ、羽坂さんにあげたいんだけどー」

「もう出る」

「いいじゃない、渉に送らせるしー」
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