おじさんは予防線にはなりません
「とにかく。
よかったら使って?
ね」
「はぁ……。
じゃあ、遠慮なくいただきます」
押しつけられた紙袋を受け取る。
世理さんはこの場に似つかわしくないほど、にこにこと笑っていた。
会社までは待っていた、世理さんの彼氏の渉さんが送ってくれた。
世理さんは着替えを取りに帰ってきただけらしい。
それはいい。
でも旦那を自分の浮気相手に会社へ送らせる、世理さんの神経がわからない。
「そうそう、この間、旅行に行ったときに羽坂さんに会ったのよ。
……あれ?
でもあのとき、彼氏と一緒じゃなかったっけ?」
はぁーっ、池松さんの口から落ちるため息は苦悩で重い。
よかったら使って?
ね」
「はぁ……。
じゃあ、遠慮なくいただきます」
押しつけられた紙袋を受け取る。
世理さんはこの場に似つかわしくないほど、にこにこと笑っていた。
会社までは待っていた、世理さんの彼氏の渉さんが送ってくれた。
世理さんは着替えを取りに帰ってきただけらしい。
それはいい。
でも旦那を自分の浮気相手に会社へ送らせる、世理さんの神経がわからない。
「そうそう、この間、旅行に行ったときに羽坂さんに会ったのよ。
……あれ?
でもあのとき、彼氏と一緒じゃなかったっけ?」
はぁーっ、池松さんの口から落ちるため息は苦悩で重い。