おじさんは予防線にはなりません
鏡の私の耳には、しっかりピアスがついている。
もう片方もそのままの勢いであけた。
「いまごろ痛くなってきた……」
先にあけた右耳がじんじんと痛みだし、遅れて左耳も痛みだす。
でもこれは、私が傷つけた大河の痛みだ。
だから甘んじて受けなければならない。
「大河、ごめん。
いっぱい傷つけてごめんなさい。
自分勝手な私を、好きになってくれてありがとう」
泣く資格なんてないのに、涙は出てくる。
今日はいっぱい泣いて明日から、大河とただの会社の人に戻れたらいいな……。
「おはよう、ございます……」
翌日、こわごわ出社した。
すでに来ていた大河はちらりとだけ私を見て、なにも言わない。
「おはよう、羽坂」
もう片方もそのままの勢いであけた。
「いまごろ痛くなってきた……」
先にあけた右耳がじんじんと痛みだし、遅れて左耳も痛みだす。
でもこれは、私が傷つけた大河の痛みだ。
だから甘んじて受けなければならない。
「大河、ごめん。
いっぱい傷つけてごめんなさい。
自分勝手な私を、好きになってくれてありがとう」
泣く資格なんてないのに、涙は出てくる。
今日はいっぱい泣いて明日から、大河とただの会社の人に戻れたらいいな……。
「おはよう、ございます……」
翌日、こわごわ出社した。
すでに来ていた大河はちらりとだけ私を見て、なにも言わない。
「おはよう、羽坂」