おじさんは予防線にはなりません
第9章 退職
その日、池松さんの様子はどことなくおかしかった。
さっきから私の隣に座って、ぼーっとしている。
「池松さん?」
「ん?
ああ」
慌ててなんでもないような顔をしているけれど、あきらかに変。
「どうか、したんですか」
「んー?」
池松さんはなにかを悩むかのように、手の中でパインアメを弄んでいた。
「その、私でよかったらお話、聞きますよ?
お力にはなれないかもしれませんが」
「んー」
なおも池松さんはパインアメを弄び続けている。
本当に、どうしたんだろう。
「その、さ。
妻が、出ていったんだ」
さっきから私の隣に座って、ぼーっとしている。
「池松さん?」
「ん?
ああ」
慌ててなんでもないような顔をしているけれど、あきらかに変。
「どうか、したんですか」
「んー?」
池松さんはなにかを悩むかのように、手の中でパインアメを弄んでいた。
「その、私でよかったらお話、聞きますよ?
お力にはなれないかもしれませんが」
「んー」
なおも池松さんはパインアメを弄び続けている。
本当に、どうしたんだろう。
「その、さ。
妻が、出ていったんだ」