おじさんは予防線にはなりません
第2章 ランチ
「羽坂。
今日は弁当か?」
「いえ……」
思わず言い淀んでしまったら、衝立の向こうから顔を出した池松さんからおかしそうにくっくっくって笑われた。
「寝坊でもしたか」
「……つい、ネットでドラマを見ていたら」
今朝、目が覚めたら家を出る時間だった。
遅刻なんてしたらなにを言われるかわからない。
大急ぎで準備して電車に飛び乗り、ぎりぎりで滑り込めた。
おかげでどうにかちょっと睨まれる程度ですんだけど。
当然、毎日詰めてきているお弁当はない。
「なら昼メシ、一緒に行かないか」
「いいんですか」
顔を見上げると、池松さんはくいっと眼鏡を押し上げた。
「うまそうなパスタを出す店を見つけたんだが、いかんせんおじさんひとりだと入りづらくてな……」
池松さんがそう言って私をお昼に誘うのは今回が三回目。
今日は弁当か?」
「いえ……」
思わず言い淀んでしまったら、衝立の向こうから顔を出した池松さんからおかしそうにくっくっくって笑われた。
「寝坊でもしたか」
「……つい、ネットでドラマを見ていたら」
今朝、目が覚めたら家を出る時間だった。
遅刻なんてしたらなにを言われるかわからない。
大急ぎで準備して電車に飛び乗り、ぎりぎりで滑り込めた。
おかげでどうにかちょっと睨まれる程度ですんだけど。
当然、毎日詰めてきているお弁当はない。
「なら昼メシ、一緒に行かないか」
「いいんですか」
顔を見上げると、池松さんはくいっと眼鏡を押し上げた。
「うまそうなパスタを出す店を見つけたんだが、いかんせんおじさんひとりだと入りづらくてな……」
池松さんがそう言って私をお昼に誘うのは今回が三回目。