おじさんは予防線にはなりません
「辞めてアメリカ行くのかと思ったら、しばらくは別居生活らしい。
奥さんの方が日本で生活したいらしくて、仕事を整理してこっちで生活するんだってよ」

「へー、そうなんですね」

よかったと思う、こんな、大河の気持ちを弄んでいた私なんか忘れて、いい人に巡り会えて。
大河には幸せになってほしいから。


こうして私は、大河から喫茶店に呼びだされたというわけだ。



大河の結婚式当日、空は抜けるくらいの晴天だった。

「いい天気でよかったですね」

「そうだな」

私が転ばないように、気遣いながら和佳さんは歩いてくれる。
少しでもつらそうだと、すぐに座れるところを見つけてくれて、座らせてくれた。

「大丈夫か」
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