家政夫執事と恋愛レッスン!?~初恋は脅迫状とともに~
第4章 王子様、登場
マスカラを持つ手が震える。

「ヤバい、目に突っ込みそう……」

何度もビューラーでまぶたを挟みながらカールさせた睫へ、ぶるぶるとマスカラを塗った。

「大丈夫、かな……?」

うまく塗れているかなんて自信はない。
ただ、ダマにはなっていなさそう。
まあそのために、ダマになりにくい! ムラにならない! という謳い文句の、自分でも手軽に扱えそうなのを買ったんだけど。

「これでいいんだよね……?」

チークを塗りながらもやっぱり自信がない。

一度、お店の化粧品売り場に行ってみたけれど、美容部員に話しかけられて……逃げた。

そもそも、店員に話しかけられるのは苦手なのだ。
なのに、お化粧の相談に乗ってもらって、やり方まで教えてもらうとかハードルが高すぎる。

仕方ないので一度家に帰り、ネットでお化粧のやり方からお勧めの化粧品まで調べた。
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